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千曲川の水質



水質にはどんな項目があるか

(1)一般的あるいは生活環境にかかわる項目

これは、水質を考える場合に広く取り上げられる指標であり、人間や野生生物の生活環境の基礎的な水質を考える場合に重要である。

  1. 水温
  2. 水の温度は水中で生活する生物にとっては、生存を左右する大切な条件であるし、水田の潅漑用水や工場の冷却用の水の水温は、直接米の収量や製造コストに影響する。また生活廃水などによる有機汚濁の浄化や水中で起きるさまざまな化学反応も水温に支配される。

  3. 水素イオン濃度(pH)
  4. 水素イオン濃度は、ふつうpH(ピーエッチ)とよばれることが多い。水が酸性かアルカリ性かを示す指標で、pH7が中性である。 pHも水中の生物の生活にとって重要な条件で、真水(淡水)にすむ魚の生活にとってはpH6.5〜pH8.5の範囲が望ましいとされている。

  5. 溶存酸素(DO)
  6. 水の中に溶けている酸素の量のこと。水中の生物も陸上の生物と同じように酸素呼吸しているので、溶存酸素が欠乏すると死んでしまう。

    水に溶ける酸素の濃度は、水温と気圧に左右され、 20℃で1気圧の時に溶ける濃度は8.84mg/Lである。水に生活排水などが流入し、いわゆる有機汚濁が起きると溶存酸素が消費されて低下する。その程度を示すのが次のBODである。

  7. 生物化学的酸素要求量(BOD)・化学的酸素要求量(COD)
  8. 水の中に生活廃水のような有機物を多く含む汚水が流れ込むと、その有機物はバクテリアなどのはたらきで、水に溶けている酸素を使って分解されて、汚濁した水は次第に浄化される。これが自然の浄化作用(自浄作用と呼ばれる)であるが、その時、分解に使われる酸素の消費が空気中から溶け込む酸素の供給速度より多くなると、水は次第に酸素欠乏の状態になって、生き物の生存をおびやかすようになり、無酸素状態になると悪臭のある有害なガスも出てくる。

    このような酸素の消費量によって有機汚濁の程度を知る指標がBODである。BODはふつう測定する水を20℃の暗いところに、5日間おいて、その間に消費される酸素の量をmg/Lの単位で表す。 BODは川の有機汚濁の指標に使われ、その値が高い程汚濁の程度が高いことを示す。

    これに対してCODは、水中の有機物を化学的な酸化剤(たとえば過マンガン酸カリウムと硫酸)で酸化分解した時に消費される酸素の量であり、湖の有機汚濁の指標に使われる。川と湖でどうしてこのような使い分けをするかについては、かなり専門的になるので省略する。

  9. 浮遊物質(SS)
  10. 水の中に溶けないで浮き漂っている小さな物質のことである。プランクトンのような小さい生物や生活廃水などに含まれる人間の食物の小さな破片なども含まれるし、大雨で濁った水の中の土砂のような鉱物質も浮遊物質である。浮遊物質は懸濁物質と呼ばれることもある。これが多くなると水の透明度がおちる。

  11. 透視度・透明度
  12. 水中の浮遊物質量が多くなると、水は濁って不透明になる。その程度を表すのが透視度と透明度である。

    透視度はかなり濁りが高い場合の測定に適用されることが多く、30cmまたは1mのガラス管に測定する水を入れ、上から見て底のマークがはっきり見える深さ(cm)で表す。一方透明度は、主に湖の水の濁りの測定する場合に使われ、ボートの上から直径が約30cmの白い円盤を湖水の中に沈めて、その円盤の存在が確認できる水深(m)で表す。透明度はきれいな湖では数十mに達することもあるが、アオコが発生したような湖では、 1m以下のことも少なくない。

  13. 塩素イオン(CI-)
  14. 塩素イオンというのは、電解質である食塩(NaCl)が水に溶けてできる陰イオンである。人間は日常生活に食塩を使い、また農地に施す化学肥料としても塩化カリウムのような塩化物を使うが、その結果出てくる塩素イオンは、生物に吸収されたり土に吸着されたりしないで、水中に溶け出してくる。そして一方、自然界からの塩素イオンの供給は、海水の影響がある地域を除けば限られているので、内陸の地域では、自然の供給分を差し引いた塩素イオンの増加は、その水に影響を及ぼしている地域(流域という)における人間のさまざまな活動の大きさを総合的に示すよい指標になる。

  15. 電気伝導率(導電率ともいう)
  16. 水の中に溶けている食塩やその他の電解質の量が多くなるほど、水は電気を通しやすくなる。その程度を表すのが電気伝導率で、下水や産業排水(浄化処理されたものでも)または海水の混入が多くなるほど高くなる。海水の混入がない内陸の水では、人間活動の影響の蓄積を間接的に知るよい指標になる。測定には市販の電導度計を用い、ふつう25℃における値をmS/m(ミリジーメンス・パー・メーター)で表す。

  17. 全窒素(TN)・全りん(TP)
  18. 全窒素と全りんは、それぞれ水の中に含まれる窒素化合物の中の窒素(空気から溶け込んでいる窒素ガス以外の窒素)とりんを含む化合物のなかのりんの全量を示す。窒素とりんは、作物を良く育てるために肥料として施さなければならないように、自然の水の中でも湖の植物プランクトンや川底の付着藻類の増殖にとっては不足している成分なので、水の中にこれらの成分が増えると(この現象を富栄養化という)アオコのような植物プランクトンや川底の藻が増え過ぎていろいろな問題を起こすようになる。近年、富栄養化は湖でも川でも問題になっているので、この2つの成分はその程度を知る指標として重要である。

    なお無機態の窒素成分のうち硝酸態の窒素(NO3-N)と亜硝酸態の窒素(NO2-N)は、人(特に乳児)の健康に害があるので重視される。

  19. 大腸菌群細菌
  20. 人間の糞便の中には大量の大腸菌が含まれている。だからこの細菌を指標にして水質の検査をすれば、チフス菌や赤痢菌のような消化器系の伝染病菌による汚染の危険性を間接的に知ることができる。ただし大腸菌群細菌の検査法で検出される細菌の中には、人の糞便にすむ大腸菌以外でこれに似た細菌も含まれてしまうので、糞便汚染をもっと正確に知るには、別の方法で本当の大腸菌だけを検出する試験をしなければならない。

  21. 一般細菌
  22. 食品工場など生物原料を処理する工場の廃水や生活廃水などで水が汚染されると、その中に含まれる有機物を分解する細菌が盛んに増殖する。要するに多かれ少なかれ水が腐るのである。一般細菌というのは、このような細菌の仲間の全体を指し、水の有機汚濁の程度を示す指標になる。

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