樹林地
河原には湿地や砂礫地、草地のほかに洪水などの影響の少ない環境が安定した樹林地も存在する。樹林地は、環境が安定しているために生育する植物や、動物の種類も増える。樹林地には、外敵からの隠れ場所、えさ場、小休憩場所、巣づくりの場所、洪水の時の避難場所など動物が生活するのに都合の良い空間や環境が整っている。
樹林地ではさまざまな生き物が生活している。昆虫類は枝や葉が多くある場所や、地面の草地などをえさ場としたり、産卵場所にしたりと、成長や時期や種類によって変えている。また、昆虫にとって樹林は産卵やえさ場だけではなく、寒い冬の時期を乗り切るための場所として利用されている。
鳥類は樹林の高さを分割してすみ分けをしている。枝や葉の茂っている部分を利用するもの、葉が少なく幹が見やすい場所を利用するもの、地面から草地に覆われた部分を利用するものなどさまざまである。樹木の上の高いところには、サギの仲間が集団で枝葉の茂る場所に巣を作り生活している。樹木の中ではオナガやハシブトガラスなどを見ることができ、木の幹ではキツツキの仲間がエサを探している様子を見ることができる。樹林の低いところや、背の低い樹林では枝葉の茂るところにクロツグミやキジバトなどを見ることができる。樹木の下の草地などではモズが巣を作ったり、キジがエサを探す姿を見ることができる。樹林地を1つ取り上げても、鳥類ではそれぞれの種にとって生活する空間を分けていることがわかる。
砂礫地・草地
礫河原で営巣する鳥(チドリの仲間、コアジサシなど)もあり、また草地には背たけや種類の違うさまざまな植物がまとまって生育していることで、ここでもすみ分けを見ることができる。背の低い草地では、小さな鳥が巣をつくり植物の実や虫を食べたりしている。また、草地にはヒメジョオンなどの花を咲かせる植物も生育しており、多くの昆虫が花粉や蜜を求めて集まってくる。この昆虫は、鳥類や哺乳類などのエサになる。
ワンド・たまり・湿地
このような場所は、水中で生活している魚類や水生昆虫などが、エサを捕ったり、卵を産んだりと生活の中でとても重要な場所になっている。また、哺乳類は水飲み場やエサ場としても利用し、鳥類は魚を捕るエサ場として利用している。 |