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帰化生物の増加と在来種との関係


外来種の侵入による影響

どんな影響があるのか?

外来種は生き物の世界にどんな影響を及ぼすのだろうか。ちょっと考えると生物の種類が増えることは良いことに思えるが、いろいろな問題がある。次に重要な3つの問題を挙げる。

  • 移入種が増加すると在来種が減少する。

  • 生物相の均質化を引き起こす。

  • 遺伝子汚染の原因となる。

外来種の中には、もともとそこにいた生物をおいはらって生態系の仕組みを変えてしまうものもある。また、ネズミムギ、カモガヤ、オオブタクサのように、人の花粉症の原因となっているものや、アレチウリなどのように川原の植物をおおって枯らすだけでなく、畑などの耕作地にも侵入して作物に被害を与えるものもある。

セイヨウタンポポが日本各地に広がり、在来種である日本タンポポが減少しているように、帰化生物が増えると在来種は減少する傾向がある。さらに帰化生物が勢いを増すと、在来種を絶滅へと追いやり、そこの地域の生態系が崩れ、種の数が減少してしまう。他にも遺伝子汚染や、伝染病を広めてしまうなど、その影響はとても大きい。

健全な生態系では、生き物同士での「食べる⇔食べられる」の関係や、生息・生育の量のバランスがとれている。しかし、外来種はもともとその場所で生きていた在来種を食べたり、在来種の生活場所を奪ったりして独占的に増殖することが多いので、もともとあった生物の世界のバランスが崩れ、生物の多様性が低下し、ひいては生態系も変えてしまうことになる。

侵略的外来種

侵略的外来種とは、外来種のうちこれらが増えたとき、在来種の絶滅につながるおそれがあるなど、特に生態系への影響が大きい種や、人間の生活に大きな影響を及ぼすような種を指す。

河川本来の自然を守るためには、侵略的外来種の中でも特に生態系、生物多様性や人間への影響が大きいものから取り除いていく必要がある。

日本生態学会が編集した「外来種ハンドブック」は、特に影響の大きい侵略的外来種として「日本の侵略的外来種ワースト100」を挙げている。この中には、アレチウリを含め27種類の植物が挙げられていて、千曲川・犀川に生育している外来植物の中にも、このワースト100に選ばれているものが17種ある。植物以外では、ブラックバスなど日本全土で問題になっている魚もある。


生物多様性ってなに?

生物の多様性とは、一定の地域に自然に生活している植物や動物の種類の多さの程度と、そこで共存している生物の中で、独占的に多いものがどれくらいあるかという程度を示すものである。

生物の多様性が高いほど、その生物の世界、ひいてはその場所の生態系は、そこの環境の中で安定していると考えられている。

人間は有史以前から地球上の多様な生物に頼って生きてきたし、またその中の植物を改良して作物し、動物を飼いならして家畜にして安定した食糧を手に入れ、今日まで亜繁栄してきた。高い生物の多様性は人類の未来にとってもきわめて大切なものである。

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