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帰化生物の増加と在来種との関係



どうやって日本に入ってくるの?

外来種はどのように日本に入ってくるのか?

外来種が別の場所へ入り込むには、だいたい3タイプに分けることができる。

  • 目的をもった導入

    1. 経済的な利益(例:食料、植林、毛皮、肉など)

    2. 有害生物をコントロール(例:害虫を駆除するためにそれを食べる動物を放す)

    3. 緑化などの環境整備(例:山への植林、水辺への水草)

    4. 家庭菜園や園芸(例:気候に合わせた外国の野菜の栽培、花の栽培)

    5. 自分の勝手な気持ちでの行動(例:故郷の草花を違う土地に持ってきて植えてしまう)

    6. 園芸植物やペットを捨てる(例:飼えなくなったペットを捨ててしまう)

  • 目的をもって導入したが、なんらかの原因で逃げだしたりする。

    1. 耕作地から逃げ出す。(例:栽培されていた外国の野菜の種や種子が水に流されて、川岸などで発芽する、あるいは種子が風で飛ばされて広がる。)

    2. 家畜飼料として輸入した種子などが散らばる。

    3. 庭の花畑や、植物園、園芸店から逃げ出す。

    4. 養魚地から逃げ出す。

    5. 害虫などの駆除のために外国から持ち込んだ生物が逃げ出す。

    6. 動物園や飼育場から逃げ出す。

    7. ペットが逃げ出す。(例:外国から輸入した生物)

  • 予測しない方法で導入

    1. タンカーなどの空船のオモリにつかっている砂や海水にまぎれてくる。

    2. 輸入された雑穀類や生鮮食料品、植物の苗にまぎれてくる。

    3. 輸入された土、砂、石、木材、機械、古タイヤ、食品などにまぎれてくる。

    4. 飛行機や船、汽車、コンテナなどに忍び込んでくる。

    5. 家畜用の飼料や糞にまぎれてくる

    6. 輸入された動植物に寄生・感染してくる。


定着・野生化

外国から来たすべての生物が定着して広がるわけではない。外国の種が移動された土地の環境条件が、その種の遺伝的性質にうまく合っているかどうかにかかってくる。

植物

帰化植物が定着するためには、その生育に好ましい環境、例えば裸地といったような、本来の自然植生を人為的に破壊した場が必要となる。裸地にはいろいろの雑草が侵入するが、新しく渡来した植物には特にその傾向がつよい。渡来した雑草はまず裸地を本拠として増え、分布を開始しする。このように帰化植物の侵入と生育の状況は、自然破壊の程度を示す一つのインジケーターといわれている。

現在、日本では土地の開発によって裸地が増えているが、そこにまず生えてくるのはほとんど帰化植物である。千曲川の川原は、洪水によって裸地になるので帰化植物は侵入しやすく、年々増えている。千曲川・犀川で多く見られる帰化植物はアレチウリ、セイタカワダチソウ、オオブタクサなどで、これらの帰化植物はしばしば大群落をつくるため、一度侵入すると在来の植物の生育地をうばって広がる。特に、アレチウリは後で詳しく書かれているように千曲川の環境の大きな問題になっている。オオブタクサは花粉症の原因になって人間の健康にも影響を与える。


魚類

魚類では特に多くの帰化種や移入種が確認されており、稚アユの放流に混ざって移入されたオイカワなども含めると、千曲川・犀川で見られる魚類の約40%が外からきた種類となっている。こうした帰化あるいは移入生物のあるものは個体数が少なかったり、生育環境が適さないなどの理由から一代限りで死滅してしまうものもあるが、中にはオイカワやオオクチバス、ブルーギルのように千曲川でも繁殖しているものがある。特にオオクチバスは全国的に見ても増加傾向にある。

陸上昆虫類

昆虫類では植物、魚類ほど帰化生物の割合は高くないが、年々増加する傾向がある。これまでに確認されている種類の多くは農作物についてきた種といわれている。在来種に大きな害を与えている種は多くはない。大きな害を与えている種としては、アメリカシロヒトリとセイヨウミツバチなどが挙げられる。

アメリカシロヒトリは都市化の比較的進行した場所で多く見られる傾向がある。これはアメリカシロヒトリの天敵となる鳥類や昆虫類が少ないためである。

セイヨウミツバチは養蜂家が持ち込んだものが帰化した種である。千曲川・犀川の河川敷ではハリエンジュが多く、良質の蜂蜜が採取できるため、季節になると多くの養蜂家が訪れるが、それらが帰化したものが在来のニホンミツバチから、盗蜜するなどの影響を与えている。

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