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川と生活のつながり



水産資源と漁業

ツケバ漁

明治12年農商ニ関スル部 ツケ場の図
明治12年農商ニ関スル部 ツケ場の図
『長野県立歴史館 所蔵』

上田盆地の初夏の風物詩にツケバがある。千曲川原に建つツケバ小屋でハヤの塩焼き・てんぷら・魚田などの野趣あふれる料理を味わうツケバ会が行われる。

千曲川のハヤ(ウグイ)は秋になると、長野盆地の犀川合流点より下流に下り、そこで越冬し、春になると更埴・上田地方へ産卵のためさかのぼってくる。産卵期が近づくと、ハヤの体側にあざやかな橙色の婚姻色を生ずる。アカウオとも呼ばれるのはこのためである。上田盆地ではアカシアの花が咲き始める4月下旬になると、ハヤの産卵期となる。

ハヤの産卵場は砂利(小石)が敷き詰められた状態の川床で、その上を水が早く流れ、しかも水が巻くような状態になっているところが最良の産卵床である。そうした産卵床を人工で造り、ハヤを呼び込もうという漁法が瀬付業法で、ツケバ漁と呼ばれている、独特な漁法がある。ツケバ漁には地形や水量により種類がある。なお、ツケバ漁は4月20日から6月10日である。

  1. あげかわ(あげツケバ)
  2. 上田盆地の千曲川や支流の依田川のような瀬となって流れている川で見られる漁法である。川の流れの中に幅4m、長さ8mほどの人工の川をつくる。人工川の両側を石やコンパネなどで覆い、本流とは隔絶する。人工川の下部は本流に自然と合流するようにつくる。人工川の上部は小さな牛枠などを入れ、横木とむしろで上部を締め切り、水量を調節して人工川に水を流す。

    人工川の上部に1mほどのやげん型のカマを掘りそこにきれいな砂利(小石)を敷きつめる。ここがハヤの産卵床となる。人工川の最上部にハヤのオス・メス10kgを箱に入れ、おとりとして沈めておく。ハヤは本流から人工川にさかのぼり、カマと呼ばれる産卵床で群がって産卵する。集まったところを、下方に網をいれ、一網打尽に捕獲する。一度に10−20kgほど獲れる。かつては1日300kgほど獲れたといわれるほど豊かな川であった。

    捕獲したハヤは生きたまま水槽に入れる。また、砂利に産みつけた卵はすぐに採卵して、上田市小牧にある上小漁業組合の孵化場へ運び、孵化させて再び放流する。

  3. わりかわ(わりツケバ)
  4. 上田盆地で行われているツケバの漁法の一種で、本流の岸辺に小さい人工川を枝分かれさせてつくる。人工川の下部、本流との合流点にカマをつくり、そこに砂利(小石)を並べ、産卵床をつくる。ハヤはこの産卵床に集まる。ここを狙って、投網で捕獲する。

  5. すりばち
  6. 上田盆地で行われているツケバの漁法の一種で、やや急流のところが適する。水流の少ないところに、大きなすりばち状のカマを掘り、そこに砂利(小石)を並べ、産卵床をつくる。ハヤはこの産卵床に集まったところを投網で捕獲する。

  7. わくツケバ
  8. 千曲川の更埴地方で行われるツケバ漁である。傾斜がゆるやかとなり、水量が多くなると、上田盆地のような川の浅瀬に人工川をつくることができない。そこで、水量のある千曲川の本流に、杭を打ち、その上流側に粗朶などで人工的に浅瀬(枠)をつくり、砂利(小石)を並べて人工産卵床をつくる。この仕掛けにハヤは群がって産卵に集まる。そこを投網で捕獲する。

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