千曲川中流域の上田盆地付近は河川勾配が130分の1から204分の1と早瀬をつくって流れている。大きな石や砂礫があったり、また小さな砂礫が川底をおおったりしている。さらに、川の落ち込む淵や、ワンドと呼ばれるゆるやかな流れがあり、千曲川の多彩な川面を見ることができる。
魚はそうした川の多彩な地形をうまく利用して、川の中の藻(珪藻類)や水生昆虫・水面に落ちた陸棲昆虫などを餌にして生きている。上田付近の千曲川の支流にはイワナ・ヤマメ・カジカ・サワガニが、また千曲川本流には上田付近の代表的な魚であるアユをはじめ、ハヤ(ウグイ)・オイカワ・フナ・ニゴイ・カマツカ等のコイ科の魚やナマズ・ウナギ・ヤツメウナギ・ドジョウ、さらにシジミ貝・カラス貝が棲み、淡水魚の博物館といわれるほど豊かな漁業資源を持つ川である。 |